【長寿を支える歩行車】選び方と活用法を専門家が解説

【長寿を支える歩行車】選び方と活用法を専門家が解説
  • 買い物終わりなど、物をもって歩くのが不安。
  • 足腰が弱ってきて、歩くスピードが遅くなってきた。
  • 長い距離を歩くと、足が痛くなったり疲れを感じる。

歩きを支えるツールとして、まず思い浮かぶのは杖が一般的でしょう。

実は、杖以外にも”歩行車”という選択肢もあります。

歩行車は、長寿生活を可能にするための強力なパートナーになります。

適切に選び、活用すれば、生活の質を大幅に向上させ、健康な生活の可能性を広げることができるのです。

この記事では、歩行車の選び方と活用法を専門家が解説します。

杖のことを知りたい方は、下記の記事を参考にして下さい。

【生活を楽にする杖の活用法:選び方から使用方法まで】

歩行車の種類と特徴

歩行車

歩行車とは、主に高齢者や身体の不自由な人の移動を補助するための福祉用具です。

安定した構造と握りやすいハンドルが特徴で、安全で自由な歩きを提供します。

歩行車の最大の特徴は安定性です。

4つの車輪を持ち、車輪の間隔が広く設計されています。

多くの歩行車にはブレーキがついており、坂道などでの移動時にも安心して使用することができます。

ショッピングバスケットがついているものもあり、買い物の際に便利です。

介護保険でのレンタルもできます。

【地域包括支援センターは地域の介護予防支援の窓口】

OTみどり
OTみどり

階段や砂利道などの不整地での難しいので、使用する環境に合わせて選択しましょう。

屋内専用の歩行補助具:歩行器 

歩行器は介護保険をお持ちの方で、レンタルして使用するのがおすすめです。

屋内専用の歩行器は、屋内の移動に不安を感じる方々のサポートを目的とした歩行補助具です。

歩行器の主要な部分は4つの脚で、前の2本が車輪になっているものもあります。

前脚が車輪になっているものは、移動がよりスムーズです。

ハンドルは高さ調節が可能なので、使用者の身長や体型に合わせて設定することができます。

屋内専用の歩行器は、安全に歩くことをサポートするためのツールです。

OTみどり
OTみどり

自宅の広さや、移動範囲に合わせて選定が必要です。

介護保険の相談は各自治体の地域包括支援センターへ問い合わせてみましょう。

歩行車選びのポイント

  1. 歩行車の選び方は使用者の生活スタイルや体調に大きく左右されます。
  2. ここでは、歩行車を選ぶ際の主なポイントを、サイズ、重さ、機能性の観点から説明します。

サイズ

歩行車のサイズは、使用者の身体の大きさや移動範囲によって変わります。

身長に合ったサイズを選ぶことで、姿勢を正しく保つことが可能になり、腰痛や肩こりの防止につながります。

また、室内での使用を主とするなら、家具や扉の間をスムーズに通ることができるサイズを選びましょう。

重さ

歩行車の重さは、使用者の体力に応じて選ぶことが重要です。

軽い歩行車は移動が容易ですが、重い歩行車の方が安定感があります。

また、折りたたみ可能な軽量タイプは、持ち運びや収納に便利です。

機能性

歩行車には様々な機能が付いています。

ブレーキ、折りたたみ機能、シート、収納スペースなど、使用者の生活スタイルや状況に合わせて選びましょう。

外出が多い方は、シートや収納スペースが付いた四輪歩行車が便利です。

歩行車の適切な設定方法

歩行車を使用する際には、その設定方法が非常に重要です。

適切な設定を行うことで、安全性を高めると共に、使用者の体に負担をかけることなく快適に使用することが可能になります。

歩行車の適切な設定方法について、高さとブレーキ調整の観点から説明します。

高さ調整

歩行車の高さは、使用者の身体に合わせて調整しましょう。

立った状態で足元から肘までの距離が、理想的な歩行車の高さといわれています。

OTみどり
OTみどり

実際に使用してみて、肩や腰に負担がないか確認しましょう。

ブレーキ調節

歩行車を安全に使用するうえで、ブレーキが利くことはとても大切です。

以下にポイントを挙げますが、使用中の不具合があれば無理に触らず使用を控えましょう。

業者や手入れのできる方に見てもらうことをお奨めします。

  1. ブレーキの点検:ブレーキパッドやケーブルが劣化していないか、適切に動作しているかを確認します。
  2. ブレーキの締め付け:ブレーキが効きすぎたり効かなかったりしないように、ブレーキケーブルの締め付けを調整します。適度な締め付けを保ち、ブレーキがスムーズに作動するようにします。
  3. 調整ネジの利用:歩行車にはブレーキを微調整するための調整ネジが付いています。これらのネジを利用して、ブレーキの引き具合や解除具合を調整します。
  4. 坂道でのテスト:ブレーキを調整した後は、安全な場所でテストを行います。特に坂道でのブレーキ効果を確認し、安全に止まれることを確認します。

専門家からのアドバイス:見落としがちなポイント

歩行車の置き場所
歩行車の置き場所を確保することはとても重要です。
自分や家族の導線の弊害にならない場所か?
歩行車まで安全に行けるか?
雨天時での対応はどうするか?(屋外に置く場合)

これらのポイントを参考に、検討して下さい。
階段や不整地での使用はできない
歩行車は平地歩行に特化しており、持ち上げて歩くことは現実的ではありません。
・自宅での出入りに階段昇降が欠かせない
・砂利道などの不整地での歩行必要。
・外出先にエレベーターやスロープがない。

使用する環境や場面で、杖など他の歩行補助具との併用を検討してみてください。
レンタルする
必要な期間だけ歩行車を使用する場合、レンタルサービスを利用することも選択肢の一つです。
医療機関や福祉施設、専門店などでレンタルサービスが提供されている場合があります。
介護保険をお持ちの方であれば、介護度に応じて費用負担(~400円程度)でレンタルが可能です。

介護保険の相談は各自治体の地域包括支援センターへ問い合わせてみましょう。
【地域包括支援センターは地域の介護予防支援の窓口】

まとめ:歩行車を活用し、長寿生活を豊かに

歩行車は、杖などの歩行補助具に比べ安定性が高く、長時間の移動や外出に便利な福祉用具です。

外出時の自由度や安全性が向上し、荷物を持っての歩行や長時間の歩行でも安心して移動することができます。

歩行車を選ぶ際には、使用する方の身体や生活環境に合わせて製品を選ぶことが大切です。

必要な機能が身体に合ったものを選ぶことで、安全で快適な移動が可能となります。

歩行車を購入する前には、使用する場面や置き場所を検討しておくことが重要です。

介護保険をお持ちの方は、レンタルも可能です。

これらのポイントを踏まえて、歩行車を活用することで、長寿生活を豊かにし、快適な移動や日常生活を実現しましょう。