【認知症予防のカギ!|高齢者の趣味と社会参加が健康寿命を延ばす理由】

【認知症予防のカギ!|高齢者の趣味と社会参加が健康寿命を延ばす理由】
  • いつまでも生き生きと暮らしたい。
  • いくつになっても毎日笑顔でいたい。
  • 認知症にならず、自分らしく年を重ねたい。

今や「人生100年時代」と言われる現代、長寿であるだけではなく、健康で豊かに生き続けることが大切になってきます。

自分らしく年を取るうえで、認知症を予防することは大きな課題です。

近年の研究では、趣味活動や社会参加がこれらの目標を達成するための重要なカギであることが明らかになってきました。

私も、これまで多くの高齢者の方と関わってきましたが、趣味やブーム、人との交流が継続している方は皆さん若々しく前向きな方です。

この記事を読むことで、趣味活動や社会参加の重要性、認知症予防になる理由を知り、ご自身やご家族のサポートに役立てて頂ければと思います。

1.趣味活動が高齢者の心と身体に与えるメリット

趣味が心の健康をサポートする5つの理由

1.孤立感の軽減

趣味や社会活動に参加することで人々との交流が増え、孤立感を感じにくくなります。

共通の趣味や目的を持った人の集まりなので、話題が限定され会話もしやすいです。

2.認知機能の活性化

新しいことに挑戦することで脳が刺激され、認知機能が活性化します。

上手にできるようになるための練習や勉強をすることはもちろん、相手に教えることで頭が整理されます。

3.自己効力感の向上

趣味を通じて何かを達成することで、自分に対する自信や自己効力感が高まります。

4.ストレスの軽減

趣味に没頭することで日常のストレスを忘れ、リラックスした状態が保てます。

”〇〇したい”という自発的で前向きに取り組めることは、楽しみや充実感を得ることができます。

5.生きがいの創出

社会参加や趣味を通じて新たな目的を見つけることで、生きがいを感じることができます。

なりたい自分や、手に入れたい結果向かって没頭できることは、まぎれもなく生きがいといえます。

OTみどり
OTみどり

患者様へ”何かご趣味はありますか?”という質問に、「●●です」と答えられる方は活き活きしていますね!

趣味が身体の健康を維持する5つのカギ

1.運動量の増加

趣味や社会活動に参加することで、自然と体を動かす機会が増えます。

その活動自体の動きはもちろん、実施する場所までの移動も含め、外に出て身体を動かす機会になります。

2.体力の維持・向上

定期的な活動は、体力を維持し、さらには向上させる効果があります。

高齢者にとって、突発な激しい運動はケガに繋がります。継続的に実施し続けることが大切になります。

3.食欲や代謝の促進

活動的なライフスタイルを送ることで、食欲が増進し、代謝が活発になります。

充実した心と身体の活動は、空腹を得られるようになり食事を楽しむことができるようになります。

高齢者にとって、一度減少した体重を増やすことは難しく、食欲の減退は筋肉の減少にもつながります。

4.ストレス軽減による免疫力向上

趣味や社会参加によってストレスが軽減されると、免疫力が向上し、病気にかかりにくくなります。

リラックスする時間を持つことで、心身ともに健康を維持できます。

5.新しいスキルの習得がもたらす充実感

新しいスキルを学ぶことは、年齢に関係なく大きな喜びや充実感を得ることができます。

高齢者が趣味や社会参加を通じて新しいことに挑戦すると、自分の成長を実感し、自己肯定感が高まります。

また、単調になりがちな日々に活気が戻り、充実した時間を過ごせるようになります。

学び続ける姿勢は、心身の健康にも良い影響を与え、認知機能の低下を防ぐことにもつながります。

2.社会参加で健康寿命を延ばす:つながりがもたらす健康効果

社会参加が孤立感を防ぐ5つの理由

高齢者にとって、社会とのつながりが重要です。クラブ活動やボランティアに参加することで、孤立感が減り、精神的な安定を得ることができます。

1.定期的な人との接触が増える

社会参加を通じて定期的に人と会う機会が増えるため、孤立感を感じにくくなります。

2.共通の話題や趣味を持つ仲間とのつながりができる

同じ趣味や関心を持つ人たちと集まることで、共通の話題が生まれやすく、深い友情が築かれます。

3.地域社会との関係が深まる

地域活動やボランティアに参加することで、域社会とのつながりが強まり、自分の居場所を感じやすくなります。

4.社会的役割を持つことができる

社会参加を通じて何かしらの役割を持つことで、自分が他者に必要とされていると感じられ、孤立感を防ぐことができます。

5.新たな友人や仲間との出会いがある

新しい活動や趣味を通じて、新たな友人や仲間と出会う機会が増えます。これにより、交友関係が広がり、孤独を感じることが少なくなります。

社会参加が”生きがい”を得られる理由3つ

1.社会への貢献と役割の実感

社会活動やボランティアを通じて、自分が誰かの役に立っていると感じることができます。

役割を持つことで、自分が社会の一員であるという実感が生まれ、生きがいを感じやすくなります。

2.新たな人間関係の構築

社会参加を通じて新しい友人や仲間を得ることは、孤独感を軽減し、他者とのつながりを強化します。

こうした人間関係の広がりが、生活に活力をもたらし、生きがいを感じるきっかけとなります。

3.自己成長と挑戦の機会

新しい活動に挑戦することで、自己成長を感じられるようになります。

高齢者にとっても、新しいスキルや知識を身につけることは、達成感や満足感を得る重要な手段となり、生きがいを与えます。

3.他者との交流が認知症予防に効果的な理由とは?

交流が脳を刺激し、認知機能を維持するメカニズム

他者との対話や共同作業は、脳を刺激し、認知機能の低下を防ぐ効果があります。

特に、言語や記憶に関連する脳の部分が活性化します。

1. 多様な情報処理の促進

他者との交流は、会話を通じて脳に多くの情報をもたらします。

言葉のやり取りや非言語的なコミュニケーション(表情やジェスチャーなど)は、脳にさまざまな刺激を与え、情報を処理するために多くの脳領域が活性化されます。

記憶力や言語処理能力が鍛えられ、認知機能の低下を防ぐ助けとなります。

2. 社会的認知の活性化

他者との関係を築き、維持するためには、相手の感情や意図を理解する「社会的認知」が必要です。

この過程で、脳の前頭葉が活発に働きます。

前頭葉は計画や判断、問題解決などの高次機能を担っており、社会的認知を通じてその機能が維持されます。

これが、認知機能全体の維持につながります。

3. 新しい経験と学びの促進

他者との交流は、新しい情報や異なる視点に触れる機会を増やします。

脳が常に新しい刺激を受け、柔軟性を保つことができます。

新しい経験や学びは、脳の神経回路を活性化させ、記憶力や注意力の維持に役立ちます。

例えば、異なる趣味を持つ友人との交流は、興味を広げるきっかけとなり、脳にとって新鮮な刺激となります。

4. ストレスの軽減と精神的安定

社会的なつながりは、孤独感やストレスを軽減する効果があります。

孤独やストレスは、脳に悪影響を与え、認知機能の低下を引き起こす要因となりますが、他者との交流を通じて精神的な安定を得ることで、これらの悪影響を防ぐことができます。

感情的なサポートを受けることで、ストレスが緩和され、脳が健康に保たれます。

5. 社会的役割と自己効力感の向上

他者との交流を通じ社会的役割を持つことで、自分が社会に貢献しているという実感や自己効力感が得られます。

この感覚は、脳の報酬系を刺激し、ポジティブな感情を引き起こします。

ポジティブな感情は脳に良い影響を与え、認知機能の維持や改善に寄与します。

社会的サポートが認知症リスクを減らす4つの理由

友人や家族からのサポートは、認知症リスクを減らすことが研究で示されています。安心感やストレスの軽減が、その理由です。

1. 精神的安定の維持

家族や友人との強いつながりは、精神的な安定を保つために欠かせません。

愛情や理解を感じられる関係は、ストレスや不安を軽減し、心の安定を保つのに役立ちます。

精神的な安定は、認知機能の低下を防ぐ重要な要因であり、認知症のリスクを減らす助けとなります。

2. 社会的交流による脳の活性化

家族や友人との交流は、会話や共通の活動を通じて脳を活性化させます。

特に、日常的な会話や意見交換は、記憶力や思考力を維持するために必要な脳の働きを促進します。

定期的な脳への刺激は、認知機能の低下を予防するのに効果的です。

3. 孤独感の軽減

社会的サポートがあることで、孤独感を感じにくくなります。

孤独や社会的孤立は、認知症リスクを高める要因とされていますが、家族や友人がいることで孤独感が和らぎ、心身の健康が保たれます。

孤独感が軽減されると、認知機能の低下も防ぎやすくなります。

4. ストレスの緩和と免疫力の向上

社会的サポートは、ストレスを緩和し、免疫力を向上させる効果もあります。

慢性的なストレスは、脳に悪影響を与え、認知症リスクを高める要因となりますが、家族や友人の存在がストレスを軽減し、健康を保つことに貢献します。

免疫力が高まることで、全身の健康が保たれ、認知症の予防にもつながります。

4.高齢者が始めるべき趣味活動と社会参加の具体例

高齢者におすすめ!趣味活動おススメ5選

散歩・ウォーキング
いわずと知れた超健康的な趣味といえばこれですよね!
まず健康促進効果として、心臓病や糖尿病のリスクを低下させます。また、筋力や骨密度を維持するためにも効果的です。
さらに、自然と触れ合うことで精神的なリフレッシュができ、ストレスを軽減する効果も期待できます。
地域の散歩グループやイベントに参加することで、社会的なつながりが増え、コミュニケーションの機会も増えるため、心身の健康の維持にとても効果的です。
ガーデニング・自家菜園
ガーデニングや自家菜園は、軽い身体的な活動になります。
土いじりや植物の世話を通じて、体を動かす機会が増えるため、日常的な運動としても適しています。
植物の成長を見ることで、達成感やリラクゼーションを感じることができ、精神的な安定へつながります。自然との触れ合いは心を落ち着かせる効果もあります。
料理
料理は、創造性の発揮・作業の効率性の向上・手先の運動など、効果のある良い趣味です。
新しいレシピを試したり、料理のアイディアを考えることで、楽しみを見つけられます。
さらに、自分で調理することで、食事の質をコントロールできるため、健康管理にも役立ちます。
料理を通じて家族や友人と食事を楽しむ機会が増え、社会的な交流の場としても役立ちます。
パソコン・スマホ
パソコンやスマホの使用は、知識を拡充するための良い手段です。
インターネットで情報を検索したり、オンラインコースを受講することで、常に新しいことを学ぶことができます。
メールやSNSを通じて遠くの人とも簡単につながることができ、コミュニケーションの促進に役立ちます。
OTみどり
OTみどり

スマホが使用できることで、緊急時や入院した際に病院を介さずご家族とコミュニケーションをとることができます。

手芸・絵画
手芸や絵画は、創造的な自己表現の場として非常に良い趣味です。
自分のアイディアや感情を形にすることで、満足感を得ることができます。
また、細かい作業を通じて手先の器用さを維持することができるため、リハビリテーションや手指の運動にも適しています。
集中して取り組むことで、ストレス解消や心の落ち着きを得られ、リラクゼーション効果も期待できます。

地域で参加できる社会活動の具体例6選

社会活動は、高齢者が地域社会の中で積極的に関与することで、心身の健康を保ち、認知症予防に役立ちます。他者との交流を通じて生きがいを感じ、生活の質を向上させることが期待されます。

ボランティア活動
地域の図書館や福祉施設でのサポート活動、子どもたちへの読み聞かせや、地域の清掃活動に参加することができます。
ほかにも、季節で行われる地域の祭りやイベントで、ボランティアとして参加したり、運営を手伝ったりすることもできます。
これらの活動は他者との交流が盛んであり、社会貢献の喜びを感じられます。
地域コミュニティセンターでのワークショップ
地域コミュニティセンターでは、手芸、絵画、料理などのワークショップが定期的に開催されることが多いです。
ワークショップに参加することで、同じ興味を持つ人々と知り合い、交流を深めることができます。
シニアクラブやサークル活動
高齢者向けのサークル活動には、カラオケクラブ、囲碁・将棋クラブ、ダンスクラブなどがあります。
共通の趣味を持つ仲間と定期的に集まることで、楽しみながら社会的つながりを維持できます。
健康増進プログラムへの参加
地域の公民館やスポーツセンターで行われている、シニア向けの健康増進プログラム(ヨガ、ストレッチ、太極拳など)に参加することで、体を動かしながら他の参加者と交流することができます。
自治会や町内会の活動
自治会や町内会での会合や活動(防災訓練、祭りの企画など)に参加することで、地域社会の一員として積極的に関わることができます。
近隣住民とのつながりが深まり、社会的な孤立を防ぐことができます。

家族や友人と楽しむことができるアクティビティ

アクティビティは、家族や友人とのつながりを強化し、認知機能の維持や向上に役立ちます。楽しい時間を共有することで、精神的な健康も向上し、認知症予防に効果的です。

一緒に料理やベーキング
家族や友人と一緒に料理やお菓子作りを楽しむことは、協力し合う機会を提供し、達成感を共有することができます。特に伝統的な家庭料理を作ることで、昔の思い出を振り返りながら楽しい時間を過ごせます。
ガーデニング
家族や友人と一緒に庭やベランダでガーデニングをすることは、自然と触れ合いながら、植物の成長を楽しむことができます。植物を育てるプロセスは、達成感と満足感を与え、会話のきっかけにもなります。
ボードゲームやカードゲーム
家族や友人と集まって、チェス、将棋、囲碁などのボードゲームやカードゲームを楽しむことは、戦略的な思考を刺激し、笑いと競争を共有する場になります。これにより、脳を活性化させながら楽しい時間を過ごせます。
散歩やピクニック
近所の公園や自然の中を一緒に散歩したり、ピクニックを楽しんだりすることは、リラックスしながら他者と会話する機会を提供します。自然の中で過ごすことで、心身ともにリフレッシュでき、家族や友人との絆が深まります。
音楽鑑賞やカラオケ
お気に入りの音楽を一緒に聴いたり、カラオケで歌ったりすることは、感情を共有し、楽しい思い出を作ることができます。また、心身への効果として、ストレスの発散や肺活量を鍛えることもできます。
音楽は脳を刺激し、感情を豊かにする効果があり、特にカラオケは笑いとエネルギーを共有する場となります。
旅行や日帰り旅行
家族や友人と一緒に旅行や日帰り旅行に出かけることは、新しい経験を共有し、楽しい思い出を作る機会となります。新しい場所を訪れることで、脳への刺激を提供し、会話や笑いを共有することができます。

介護保険制度を利用しての集団への参加

介護保険制度を利用することで、高齢者が無理なく、定期的に集団活動に参加することができます。

施設には専門のスタッフが常駐しており、個々の健康状態や能力に応じたサポートが提供されるため、安心して活動に取り組むことができます。

また、介護保険を利用することで、費用負担が軽減され、経済的な理由で参加をためらうことなく、様々なプログラムに参加できるのも大きなメリットです。

介護保険を利用して参加できる具体的な集団活動

デイサービスでの趣味活動
手芸、絵画、音楽療法など、創造性を刺激する活動が多く提供されており、楽しく脳を活性化できます。
リハビリ施設での運動プログラム
集団でのリハビリ運動や体操は、他者との交流を図りながら身体を動し、心身の健康を支えます。

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5.今日から始める!健康を守る簡単なステップ

高齢者にとって、認知症予防のために趣味活動や社会参加を始めることは、決して難しいことではありません。

日常生活の中に簡単なステップを取り入れるだけで、脳を活性化し、健康を守ることができます。

最後に、今日から始められる簡単なステップをご紹介します。

できるものから取り入れながら、認知症を予防し健康寿命を延ばしましょう!

1. 毎日10分のウォーキング

ウォーキングは、体を動かすだけでなく、外の空気を吸い、周りの景色を楽しむことで気分をリフレッシュできます。まずは10分から始めてみましょう。近所の公園を散歩するだけでも、心身に良い影響があります。友人や家族を誘って一緒に歩けば、会話を楽しみながらさらに充実した時間を過ごせます。

2. 新しい趣味に挑戦

新しいことに挑戦することは、脳に新しい刺激を与えます。手軽に始められる趣味として、パズルや塗り絵、編み物などがあります。趣味を通じて、手先を使いながら集中力を養い、達成感を得ることができます。また、趣味を共有するグループやクラブに参加することで、同じ興味を持つ仲間と交流する機会も増えます。

3. 定期的な家族・友人との交流

社会的なつながりを持つことは、認知症予防において非常に重要です。電話やオンラインでの会話、定期的な友人との集まりを計画しましょう。お茶をしながらの雑談や、一緒に映画を見たりすることで、日常生活に楽しみが増え、ストレスも軽減されます。

4. 毎日のルーチンに「楽しみ」を追加

日々の生活に少しずつ楽しみを取り入れることが、長続きする秘訣です。毎日のお茶の時間に好きな音楽をかける、好きな本を読む時間を作る、家庭菜園で植物を育てるなど、自分が楽しめる小さな習慣を取り入れてみてください。これらの活動が、日常生活に活力を与えてくれます。