- 足腰が弱ってきて、歩くスピードが遅くなってきた。
- 長い距離を歩くと、足が痛くなったり疲れを感じる。
- ”転ばぬ先の杖”で、家族に杖を提案したい。
少子高齢化がさけばれる現代で、なんと100円ショップでも見かけるようになった”杖”。
家族からプレゼントされる方も多く、その存在は身近です。
しかし、本当に適切な使い方、適切な長さをご存知でしょうか?長さが合っていなければ、逆に使うべきではないことも。
使い方を正しく理解することは、身の安全に直結します。しかし、なかなかそうした情報を得るのは難しいですよね。
この記事では、”杖を使うときに知っておいてほしいこと”について詳しく解説します。
適応
杖を使用が適応になる方は、以下のような状況の方々が多いです。
- 足腰に負担を感じる方
- 歩行中に足腰に痛みを感じる方や、長時間立つことが困難な方には杖の使用が推奨されます。
杖が体重を分散し、足腰への負担を軽減します。
- バランスを保つのが難しい方
- 年齢や病気などでバランスを保つことが難しい方には、杖が支えとなり安全に歩行できます。
- 手術後のリハビリ中の方
- 手術後に伴う痛みや、筋力低下が低下している期間中には、杖を使用して歩行訓練を行うことが多いです。
- 高齢者
- ”杖を持つなんて恥ずかしい”という方もいますが、年齢に伴う筋力や体力の低下は避けられません。
歩行に不安を感じる高齢者には、杖がを持つことで安心して歩けます。
杖を持つことで、周りの方へ配慮を促す効果もあります。
杖の種類
“杖”と言っても、その種類は様々です。
それぞれの形状や特性により、使用者のニーズやライフスタイルに最適なものが選ばれます。
T字杖
T字杖は、その名の通り、杖の上部が「T」字型になっていることから名付けられました。
この形状は、手のひら全体に重量を分散させることで、握力が弱い方や長時間の使用にも適しています。
杖の長さは調整可能なものが多く、身長に合わせて使用することができます。
最近ではチェックや花柄など、柄が付いているものも多いです。
杖先が広い丸型になっており、自立するタイプのT字杖も販売されています。
折り畳み式 T字杖
折り畳み杖は、その便利さから多くの人々に愛用されています。
使用しないときはコンパクトに折りたたむことができ、バッグに収納したり、旅行に持っていくのに便利です。
長さの調節が可能なモデルもあり、使用者の身体に合わせて最適な長さに設定することができます。
疲れた際や、長距離歩行時のみに使いたい方におすすめです。
4点杖
4点杖は、杖の下部に4つの足がついていることから名付けられました。
4つの接地点があるため、他の種類の杖に比べて安定性が高く、バランスを保つのに苦労している方にとっては非常に有用です。
折り畳みはできず、重量があるため、持ち運びには工夫が必要です。
4点の足がしっかり着かないと安定しないため、屋内での使用がメインになります。」
リハビリでの訓練時や、自宅内で使用されている方が多いです。
杖の長さの決め方・注意点
目安となる長さ
杖の長さは、長すぎても短すぎても安全に使用することはできません。
杖の長さの目安としては、身長÷2+3㎝ とされています。
身長 | 杖の長さ |
140㎝ | 73㎝ |
142㎝ | 74㎝ |
144㎝ | 75㎝ |
146㎝ | 76㎝ |
148㎝ | 77㎝ |
身長 | 杖の長さ |
150㎝ | 78㎝ |
152㎝ | 79㎝ |
154㎝ | 80㎝ |
158㎝ | 81㎝ |
158㎝ | 82㎝ |
身長 | 杖の長さ |
160㎝ | 83㎝ |
162㎝ | 84㎝ |
164㎝ | 85㎝ |
166㎝ | 86㎝ |
168㎝ | 87㎝ |
身長 | 杖の長さ |
170㎝ | 88㎝ |
172㎝ | 89㎝ |
174㎝ | 90㎝ |
176㎝ | 91㎝ |
178㎝ | 92㎝ |
杖は屋外で使用することが多いです。必ず靴を履いた身長で合わせてください。
高さの合わせ方
杖を使用する人の身体に合わせて、長さを調節しましょう。
杖の長さを決める時の注意点
杖を使うとき、その長さは非常に重要な要素となります。
適切な長さの杖を使うことで、歩行が楽になり、転倒のリスクも軽減されます。
しかし、杖の長さを決める際には、以下の点に注意が必要です。
- 腰の曲がり具合
- 腰の曲がり具合も杖の長さを決める際の重要な要素です。
腰が前傾している場合や背筋がまっすぐでない場合は、少し短めの杖を選ぶことをおすすめします。
寝れば背中が伸びる方も、杖を使用するときの身長は短くなるからです。
- 歩幅
- 歩幅も杖の長さに影響します。大きな歩幅で歩く人は、長めの杖が適しています。
逆に、小さな歩幅で歩く人は、短めの杖が良いでしょう。杖の長さが適切でないと、歩幅が不自然になり、バランスを崩す原因となります。
- 痛み
- 痛みの有無や程度も杖の長さを考える際の重要な要素です。
膝や腰に痛みを感じる場合、杖はその痛みを軽減するためのサポートとなります。
そのため、痛みの位置や程度に応じて、杖の長さを調整することが必要です。
使用方法
杖は歩行の補助やバランスを保つために使われますが、正しく使わないと逆に体に負担をかけてしまいます。
ここでは、使用場面ごとでの杖の正しい使い方を分かりやすく解説します。
杖を持つ側
杖は通常、体の反対側(つまり、痛みを感じる足の反対側)で持ちます。
これにより、痛みを感じる脚にかかる負担を軽減することができます。
杖の持ち方
ハンドルを握り、手のひらを杖の上に置きます。
指は杖のハンドルを包み込むように握ります。握力が弱いときは、手首にストラップを通して確実に支えるようにしましょう。
杖と足の順番
- 足腰に痛みがある・不自由な側がある方
- ①杖 →②健康・痛みのない足 →③不自由・痛い足 の順で使用しましょう。
- 痛みがなく、楽に歩くために使用している方
- 杖と同時に、反対側の足を出す スピードが付き、スムーズに歩くことができます。
階段でのつきかた
階段の上り下りでは、杖の使用方法が変わります。
- 階段を上るとき
- ①健康・痛みのない足 →②杖 →③不自由・痛みを感じる足
- 階段を降りる時
- ①杖 →②不自由・痛みを感じる足 →③健康・痛みのない足
杖のメンテナンス
- 杖先のゴムの交換
- 杖先のゴムは摩耗すると滑りやすくなり、転倒の原因となるため、定期的な交換が必要です。
交換の時期は使用頻度や歩行状況によりますが、ゴムが薄くなったり、溝がなくなったりしたら交換しましょう。
新しいゴムは専門店やオンラインで購入できます。
価格は400円程度です。
- 清潔に保つ
- 杖は日常的に使用するため、定期的な清掃が必要です。
ハンドル部分は汗皮脂で汚やすいので、柔かい布で拭き、必要であれ中性洗剤使用しまょう。
杖本体も定期にほりや汚れを拭取ることが大切です。
- 定期的な点検
- 杖の持ち手や、高さの調節する部分のシフト部分が緩んでいないか、亀裂や損傷がないか定期的に確認しまょう。万が一、異常が見かった場合はすぐ修理や交換を行ってください。
先ゴム交換を知らない方も多いです。破損がなければ、長く使い慣れた杖を使い続けられます。
最後に
杖は歩きをサポートし、安全な移動可能にしてくれます。
最初は使い心地が不慣れかしれません。
しかし、身体に合った長さに調節し、使い方を知ることで自然に使うことができます。
杖先のゴム交換や定期的な清掃や点検を行うとで、常に安全な状態で使用することも可能です。
この記事が、安全に杖を使用するための助けになれば幸いです。