はじめに
- 足腰を鍛え、これからも自分の足で歩き続けたい。
- 入院中にリハビリをしていたが、退院後も続けたい。
- これからも健康で生き続けるためのリハビリを知りたい。
高齢者が長く自宅で元気に過ごすためには、日々のリハビリテーションが欠かせません。
リハビリといえば、病院や施設に通うのが一般的です。しかし、外出せず自宅でリハビリを法する方法もあります。
例としては、介護保険を利用することで、訪問リハビリテーションやデイケアサービス、短期入所リハビリテーション(ショートステイ)など、多様なリハビリサービスを受けることが可能です。
これらのサービスは、専門家によるサポートを受けながら、自宅や地域の施設でリハビリを続けられるよう設計されています。
特に、訪問リハビリテーションは自宅で直接リハビリを受けられるため、一人暮らしの高齢者にも最適です。
さらに、自宅でできる具体的なリハビリ方法や、オンラインリハビリテーションなど最新のサービスもあります。
介護保険をうまく活用して、経済的な負担を抑えつつ、効果的なリハビリを続けるためのポイントを解説します。
この記事を読むことで、在宅リハビリの重要性とそのメリットを再確認し、自宅での生活の質を向上させる助けとなれば幸いです。
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1. 在宅リハビリとは?
1.在宅リハビリの定義と目的
在宅リハビリとは、自宅で行うリハビリテーションのことです。
高齢者が自立した生活を続けるための運動や訓練を自宅で行います。
リハビリの目的は、身体機能の維持や向上、生活の質の向上です。
日常生活をより快適に送るために、医師やリハビリの専門家がサポートします。
2.病院でのリハビリとの違い
病院でのリハビリは、専門の施設や設備が整っています。
医師や理学療法士、作業療法士など専門家の監督の下で行われます。
一方、在宅リハビリは自宅で行います。訪問リハビリでは、リハビリの専門家が自宅に来てリハビリを行います。
オンラインリハビリは、自宅でインターネットを通じてリハビリ指導を受ける方法です。
病院でのリハビリに比べ、在宅リハビリは自由度が高く、日常生活に取り入れやすいことが特徴です。
3.在宅リハビリのメリットとデメリット
在宅リハビリのメリットは、通院の必要がないことです。
自宅で行うため、移動の負担がありません。
自己管理ができる方は、自分のペースでリハビリを続けられるのもメリットです。
しかし、デメリットもあります。
自宅では専門の設備が限られており、医師の直接の監督が受けられないため、自己管理が大切になります。
また、モチベーションの維持が難しいこともあります。
そのため、自分なりの目的を持って取り組むことが大切です。
自分なりのリハビリの目的があり、マイペースに取り組みたい方は在宅リハビリがおススメです。
2. 在宅でのリハビリを支援する主なサービス
1.訪問リハビリテーション
サービス内容と提供方法
- リハビリの専門家が訪問する
- 理学療法士や作業療法士などのリハビリの専門家が自宅を訪問し、利用者に対してリハビリを行います。
専門的な知識と技術で、個々の身体の状態に応じたリハビリを提供します。
- 個別プログラム
- 利用者の健康状態やリハビリの目標に応じて、個別のリハビリプログラムを作成します。
これにより、効率的かつ効果的なリハビリを実現することができます。
- 日常生活動作の訓練
- 歩行訓練や筋力トレーニングを通じて、日常生活動作の改善を目指します。
実際の生活場面での訓練が可能なので、生活環境に根付いた生活を送るためのサポートができます。
- 指導と助言
- 利用者だけでなく、家族や介護者に対してもリハビリの指導や助言、介助方法のアドバイス等を行います。
これにより、リハビリの効果を高め、ご家族を含めた自宅内でのサポート体制を整えます。
- 定期的な評価
- リハビリの進捗を定期的に評価し、必要に応じてプログラムや目標をを調整します。
これにより、利用者の状態に合わせた最適な目標を設定し、リハビリプログラムを継続的に提供します。
利用条件と費用
- 介護保険の認定
- 訪問リハビリを受けるには、要介護1以上の介護認定を受けている必要があります。
また、40~64歳の方で特定疾病により介護認定されている方や、主治医からの介護の必要性を説かれている方も利用が可能です。
- 利用回数
- 訪問リハビリテーションの利用回数は、ケアマネジャーが作成するケアプランに基づいて決められます。
制度上、1回のリハビリは20分で1週間で合計120分(週6回まで)と上限が決められています。
1日あたりの上限は設けられていないため、同日に40分~60分のサービスを受けることも可能です。
- 費用負担
- 訪問リハビリテーションを利用する際の自己負担割合は原則1割ですが、年齢や介護状態、所得によって異なります。
訪問リハビリテーションの事業者や地域により違いますので、正確な金額は担当ケアマネージャーに確認が必要です。
2.通所リハビリサービス
サービス内容と提供方法
- リハビリの専門家が常駐している
- 理学療法士や作業療法士などのリハビリの専門家が常駐しており、利用者に対してリハビリを行います。
マシンの負荷量調節や自主トレの検討、個別でのリハビリを実施します。
専門的な知識と技術で、個々の身体の状態に応じたリハビリを提供します。
また、リハビリの質問や身体のケアについてのアドバイスも気軽に得ることができます。
- 個別プログラム
- 施設にによっては、筋トレマシンを多数そろえている個所もあります。
リハビリの専門家が、利用者個々の身体状況に応じて負荷量の調節を行います。
また、健康状態やリハビリの目標に応じて、個別のリハビリプログラムを実施します。
- 日常生活動作の訓練
- 歩行訓練や筋力トレーニングを通じて、日常生活動作の改善を目指します。
自宅での動作を想定しての訓練はもちろん、屋外での歩行訓練なども実施しています。
- 定期的な評価
- リハビリの進捗を定期的に評価し、必要に応じて負荷量の調節やプログラムを調整します。
これにより、利用者の状態に合わせた最適な目標を設定し、リハビリプログラムを継続的に提供します。
利用条件と費用
- 介護保険の認定
- 訪問リハビリを受けるには、要介護1以上の介護認定を受けている必要があります。
また、40~64歳の方で特定疾病により介護認定されている方や、主治医からの介護の必要性を説かれている方も利用が可能です。
- 利用回数
- デイケアの利用回数は、ケアマネジャーが作成するケアプランに基づいて決められます。
介護度やほかのサービス量に応じて、利用回数の上限は異なります。
- 費用負担
- 通所リハビリテーションを利用する際の自己負担割合は原則1割ですが、年齢や介護状態、所得によって異なります。
また、事業者や市町村によっても異なりますので、正確な金額は担当ケアマネージャーに確認が必要です。
3.オンラインリハビリテーション
サービス内容と提供方法
- リハビリの専門家が画面越しで動作指導を行う
- オンラインリハビリとは、インターネットを通じて提供されるリハビリテーションです。
利用者は自宅からビデオ通話でリハビリを受けます。
リハビリ専門のスタッフが画面越しに指導します。
個々の状態に合わせた運動やトレーニングを行います。
- 個別プログラム
- 利用者の健康状態やリハビリの目標に応じて、個別のリハビリプログラムを作成します。
これにより、効率的かつ効果的なリハビリを実現することができます。
- 日常生活動作の訓練
- 身体の柔軟や筋力トレーニングを通じて、運動不足の改善や日常生活動作の改善を目指します。
オンライン上でマンツーマンで相互のやりとりができるので、コミュニケーションも緊張せずにとれます。
- 指導と助言
- セッションは通常30分から1時間程度です。
利用者はスマホやタブレット、パソコンを使用します。安定したインターネット環境が必要です。
家族も参加でき、サポートを学ぶことができます。
- 定期的な評価
- リハビリの進捗を定期的に評価し、必要に応じてプログラムや目標をを調整します。
これにより、利用者の状態に合わせた最適な目標を設定し、リハビリプログラムを継続的に提供します。
利用条件と費用
- 介護保険の認定
- 要介護認定を受けていることが必要です。
- 利用回数
- オンラインリハビリの利用回数は、要介護度や個々のニーズによって異なります。
介護保険でのリハビリ利用回数には、月単位の上限があります。
この上限は要介護度によって決まります。
- 費用負担
- サービス費用は介護保険で一部カバーされます。自己負担額は原則1割ですが、所得により変わることもあります。
初回の導入には、機器の設定や使い方の説明があります。具体的な費用や利用方法は、ケアマネージャーに相談できます。
初めての方でも安心して利用できるようサポートがあります。
3. 介護保険で受けられるリハビリサービス
1.介護保険制度の概要
介護保険は、高齢者や障害者が自立した生活を続けるための公的な保険制度です。
40歳以上の人が加入対象で、介護が必要になった場合に市町村に申請し、介護保険認定を受けることでサービスを利用できます。
認定結果に基づき、7段階の介護度が決定され、その介護度に応じたサービスが提供されます。
費用は保険料と自己負担金から成り、保険料は年齢と所得によって異なります。自己負担金は原則として1割です。
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①訪問リハビリテーション
訪問リハビリテーションは、理学療法士や作業療法士が自宅を訪れ、個別にリハビリプランを作成し、治療や動作指導を行うサービスです。
利用するためには介護認定を受け、ケアマネージャーに相談します。
自己負担は1割から3割で、利用回数や時間により費用が異なります。
②通所リハビリテーション(デイケア)
デイケアは、施設に通ってリハビリを受けるサービスです。
個別のリハビリ指導に加え、筋力トレーニングやバランス訓練、日常生活動作の訓練が含まれます。
施設の送迎サービスが利用でき、利用時間も半日から1日まで選べます。
自己負担は1割から3割で、ケアマネージャーに相談して詳細を確認しましょう。
③デイサービス
デイサービスは、主に日常生活の支援を目的とした施設通いのサービスです。
食事や入浴、レクリエーションが提供され、施設によってはリハビリも行われます。
デイケアとの違いは、デイサービスがリハビリよりも生活支援を重視している点です。
自己負担は1割から3割で、利用時間やサービス内容により変動します。
入浴を目的にデイサービスの利用を検討される方が多いです。
④短期入所リハビリテーション(ショートステイ)
ショートステイは、短期間施設に入所してリハビリを受けるサービスです。
自宅での生活が難しい時や、家族の介護負担を軽減する目的で利用されます。
リハビリ、食事、入浴、レクリエーションなどが提供され、利用期間は数日から数週間まで選べます。
費用は介護保険を利用することで、1割から3割の自己負担となります。
2.在宅リハビリの具体的な方法と取り組み
1: 筋力トレーニング
筋力トレーニングは、筋肉の維持と強化に重要です。自宅で簡単にできる方法を紹介します。
2:バランス訓練
バランス訓練は、転倒防止に役立ちます。以下の方法を試してみましょう。
3:柔軟性向上エクササイズ
柔軟性を高めることで、動きやすさを維持します。
4:認知機能リハビリ
認知機能を高めるためのトレーニング方法です。
100円均一などでも冊子の物が売られていますので、探してみてください。
- パズル:ジグソーパズルやクロスワードパズルを行います。脳を活性化します。
- ナンプレ:簡単な計算問題を解く練習です。脳の刺激になります。
- 記憶ゲーム:カードゲームなどで記憶力を鍛えられます。
- ボードゲーム:囲碁や将棋、マージャンなども先を見通した思考をすることで脳が活性化されます。
5:記憶力向上エクササイズ
記憶力を維持するためのエクササイズです。
- メモリートレーニング:日々の出来事を日記やブログなどにに書きます。日常を振り返り、記憶を想起することで、記憶力を強化します。
- ストーリーテリング:家族や友人に昔の話をします。記憶を呼び起こすことで、記憶力を強化します。
- 写真を見返す:昔の写真を見て、当時の思い出話を語り合う。過去の記憶やその時の感情を思い出すことが、記憶力向上に役立ちます。
6:日常生活の工夫
生活リハビリ
日常生活の中でリハビリを取り入れる方法です。
- 家事リハビリ:掃除や洗濯などの家事には様々な動きの要素があるため、リハビリと捉えることができます。
- 料理リハビリ:数品のおかずを同時に作る料理は、手順や工程の効率を求めるため脳を活性化させます。また、手先や足腰を動かすため、健康維持に役立ちます。
- 庭仕事:庭の手入れをしながら身体を動かすことは、自然との触れ合いによるストレス解消・リラックス効果も得ることができます。
実は、普段の生活動作がリハビリになっているんです!!
趣味活動
趣味や活動を通じて、心身の健康を維持します。
- 手芸や絵画:指先を動かし、完成図をイメージしながらの制作の趣味活動は、脳の活性化に役立ちます。
- 音楽鑑賞:好きな音楽を聴くことで、リラックス効果が得られストレス解消に効果的です。
- 読書や映画鑑賞:読書や映画を楽しむことで、心の充実感を得られます。
”楽しい””時間を忘れちゃう”ことや、ご家族や友人と行う趣味やがあるとイキイキできますよ!
3.在宅リハビリ支援サービスの選び方
① どのサービスが自分に合っているかの判断基準
自分に合った在宅リハビリ支援サービスを選ぶための判断基準を紹介します。
- 健康状態の評価:医師や専門家に健康状態を評価してもらいます。
- 必要なサポート内容:リハビリの目的や目標に対して、具体的にどんなサポートが必要なのかを検討します。
- 目標設定:リハビリの目標を明確にします。例えば家の中を杖なしで歩く、階段の上り下りが安定する、現状を維持するなど。
- 利用可能な時間:リハビリに割ける時間を確認します。ご家族のスケジュールや日常生活とのバランスが大切です。
- 予算:サービスにかかる費用を把握し、予算内で選びます。
② サービス提供者の選び方
良いサービス提供者を選ぶためのポイントを説明します。
- サービス内容:提供されるサービス内容が自分のニーズに合っているか確認します。
- 柔軟性:スケジュールやサービス内容の柔軟性があるか確認します。
- コミュニケーション:提供者とのコミュニケーションが円滑に取れるか、担当セラピストとのやり取りにストレスがないかなど確認します。
③ 契約時の注意点と質問例
契約時の注意点と、サービス提供者に聞いておきたい質問例を紹介します。
- 契約内容の確認:契約内容を詳細に確認します。特に料金やサービス内容を注意します。
- キャンセルポリシー:キャンセルポリシーを確認します。急な変更に対応できるかも重要です。
- 保険適用の確認:介護保険が適用されるか確認します。また、自己負担額もチェックします。
4.高齢者の在宅リハビリを支える制度と支援
① 介護保険制度の活用
在宅リハビリの経済的負担を軽減できます。
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- 介護保険の申請:申請して認定を受けます。
- ケアプラン作成:ケアマネージャーと相談し、リハビリを含むケアプランを作成します。
- 訪問リハビリ:理学療法士や作業療法士が自宅を訪問してリハビリを行います。
- 通所リハビリ:デイケアセンターでリハビリを受けられます。
- 短期入所リハビリ:ショートステイで集中リハビリを受けます。
- 費用負担軽減:介護保険適用で、自己負担が軽減されます。
② 地域の支援サービス
介護保険を利用してのリハビリ以外にも、地域の支援サービスを利用することで、在宅リハビリを受けることも可能です。
・ボランティア団体:地域のボランティア団体が、リハビリや生活支援を行っています。
- リハビリ教室:地域の施設で開催されるリハビリ教室に参加します。
- 福祉用具の貸与:地域の福祉サービスを利用し、リハビリに必要な用具を借ります。
- 地域交流イベント:地域の交流イベントに参加し、社会的なつながりを保ちます。
- 相談窓口:地域の相談窓口で、リハビリや介護に関する情報を収集します。
③ その他の利用可能な支援制度
その他の支援制度を活用して、在宅リハビリを効果的に行います。
- 医療保険の活用:医療保険を利用して、リハビリテーションの費用を軽減します。
- 自治体の補助金:自治体が提供する補助金を活用し、リハビリ用具を購入します。
- 民間サービス:民間のリハビリサービスを利用し、専門的なサポートを受けます。
- オンラインリハビリ:インターネットを活用して、オンラインでリハビリ指導を受けます。
- 家族の協力:家族の協力を得て、日常生活の中でリハビリを行います。
5.在宅リハビリの重要性とメリットの再確認
在宅リハビリの重要性
在宅リハビリは、高齢者が自宅で生活を続けるために重要です。
- 自立生活の維持:在宅リハビリは、その人らしい自立した生活を維持するために役立ちます。
- 転倒防止:筋力やバランスを改善・維持することで、転倒のリスクを減らします。
- 社会参加の促進:身体機能を維持することで、これまで続けてきた社会参加がしやすくなります。
- 健康寿命の延伸:継続的なリハビリは、健康寿命を延ばす効果があります。
在宅リハビリのメリット
在宅リハビリには、多くのメリットがあります。
- 安心感:自宅という慣れた環境でリハビリを受けることができます。
- 時間の節約:通院の必要がないため、時間を有効に使うことができます。
- 費用の削減:通院や入院に比べて、移動費や医療費がかからないため費用を抑えることができます。
- 個別対応:個々の状態や目標に合わせたリハビリプログラムが提供されます。
- 家族指導・支援:ご家族一緒にリハビリを行うことで、本人だけではなく家族に対してのサポートも受けることができま。
- 迅速な対応:医療者が訪問することで、急な体調変化にたいして医療機関と連携し迅速に対応できます。
在宅リハビリの重要性とメリットを理解し、適切に実践することが大切です。
自宅でのリハビリを続けることで、健康で自立した生活を維持しましょう。
まとめ
ここまで、高齢者が在宅で元気に過ごすための在宅リハビリ支援サービスについてご紹介しました。
介護保険制度を活用することで、訪問リハビリやデイケア、短期入所リハビリといった多様なサービスが利用でき、経済的負担も軽減されます。
本人と家族の希望にあうプランをケアマネージャーと相談しながら(介護保険を使用する場合)、最適なリハビリプランを作成することが大切です。
継続したリハビリを通じて、高齢者の方々が安心して自宅での生活を続けられるよう、積極的にサービスを活用しましょう。